Q:給与明細ってどこをどう見るの?
毎月受け取る給与明細ですが、あなたはちゃんと内容チェックしてますか?
給与明細書 平成○○年 ○月分 給与
○○ ○○様 |
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給与明細には、3つの欄がありそれぞれに大切な意味があります。まず会社からもらうお金が「支給」の欄、給与天引きの明細が「控除」の欄、給与計算のもとになる出退勤の情報が、「勤怠」の欄です。
<支給の欄>
・基本給:給与の基本の部分です。ボーナスの査定や退職金の計算などの時のベースになります。
・役職手当:役職につくともらえる手当です。
・諸手当(資格手当・住宅手当・家族手当など):会社独自の規定により支給される手当です。年功序列の考え方が主流だった時代は、これらの手当も手厚い傾向にありました。しかし、能力給や年俸制の導入が進み、会社員の能力に直接関係のない事情(扶養家族が多いとか、住宅ローンがきついとか・・・)は、報酬に加味しないという考え方に変わり、諸手当は減少傾向にあるようです。
・残業手当:所定労働時間を超えて働いた時に支払われる手当です。
所定労働時間とは?
労働基準法では、原則1週40時間、1日8時間を所定労働時間と定めています。(例:月曜から金曜の朝9時から午後6時まで。お昼の休憩1時間を除くなど)
所定労働時間を超えて働くと残業手当の対象となります。通常の給与の25%増しで支払われる残業代のほか夜10時以降翌朝5時までの超過勤務が対象となる深夜手当や法律で定められた休日に働いた時の休日手当などがあります。
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・通勤手当:通勤の費用です。1か月10万円までの通勤手当は非課税(所得税・住民税がかからない収入)です。したがって、通勤手当は非課税合計欄に記入され、課税合計欄には所得税・住民税の課税の対象となる支給項目(通常は交通費を除いた金額)が記載されます。
<控除の欄>
・健康保険料:健康保険料は、標準報酬月額(4・5・6月の給与の平均額)に保険料率8.2%を掛けて計算します。保険料は労使折半(会社が半額を負担する)です。会社員が加入する健康保険制度は、会社によって政府管掌と健康保険組合の二種類があり、健康保険組合の保険料は政府管掌より少い場合が多いです。例)標準報酬月額25万円x8.2%=20,500円(会社と本人それぞれが10,250円ずつ負担します)
・介護保険:40歳以上になると介護保険料を負担します。
・厚生年金:会社員は、年金制度の土台となる国民年金と、会社員のための上乗せ制度である厚生年金の二つに加入しています。この二つの年金制度の保険料が合わせて厚生年金という名前で天引きされています。保険料は標準報酬月額に14.996%を掛けて計算します。健康保険同様厚生年金保険料は労使折半です。
・厚生年金基金:企業年金と呼ばれる、企業独自で設定している年金制度です。この制度がある会社員は、将来国民年金・厚生年金・企業年金の三つの年金制度から年金をもらうことができます。
・雇用保険:会社員の働く環境を守るための保険です。失業した場合は手当(いわゆる失業保険)がもらえます。
・社会保険合計:負担した社会保険料は全額所得控除(所得税・住民税の課税対象外)となります。
・課税対象額:給与から所得税や住民税の対象とならない交通費や社会保険料を差し引いた金額です。
・所得税:毎月の給与から天引きされる所得税は概算です。年末調整にて正式な納税額が計算され12月の給与で調整されます。詳しくは所得税の計算方法をご覧ください。
・住民税:前年度の所得に対して課税された住民税が天引きされます。
・財形貯蓄:給与天引きで貯金ができる制度です。会社に財形貯蓄制度があれば利用できます。一般財形、住宅財形、年金財形の3種類があり特に住宅財形と年金財形は税金の優遇も受けられるお得な制度です。
※健康保険料率、厚生年金保険料は平成20年8月現在のものです。
<勤怠の欄>
・出退勤記録:会社を休む時には、休んでも給与がもらえる年次有給休暇(有休)と休むと給与が減額される欠勤の二種類があります。また会社によっては、遅刻や早退も時間単価で差し引かれる場合もあります。
年次有給休暇とは?
入社から6ヶ月経過しその間8割以上出勤すると10日間会社からもらえます。それ以後は少しずつもらえる有休日数が増え、1年間にMAX20日間の有休が会社からもらえます。有休は2年間繰越ができるので、1年間の有休の最高日数は40日です。(会社によっては特別のルールがある会社もあります)
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Writer of This Article |
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ワイズライフFPコンサルタント
山中伸枝
ファイナンシャルプランナー
一級ファイナンシャルプランニング技能士
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得意分野
年金と資産運用
受け付けている相談内容
資産運用(プランから商品提供まで)
保障設計(保険証券診断から保険商品提供まで)
ライフプラン、住宅ローンなどくらしとお金に係る心配事全般。
著書
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